Rêve TAKARAZUKA REVUE 宝塚ブログ・タカラヅカの夢 

初演ベルばら以来のファンが公演感想、OG、その他、宝塚を語ります!

2022年 勝手に私的宝塚大賞発表!その1

2022年ももうすぐ終わろうとしています。

すごく個人的には、今年は本当にいろいろあった年でした。

ここ15年くらいの中で、いちばん変化があった年かもしれません。

また機会があれば、折々に書いていこうと思います。

 

今回は、2022年に私が観た宝塚公演を中心に、勝手な賞を進呈いたします!

(マジいらんわってゆー)

今年も、コロナ禍の影響が大きく、公演中止・休止が相次ぎましたね…。

観客にも、歌劇団にも、そしてジェンヌさんたちにも辛い一年だったと感じます。

そんな中でも、舞台では常に笑顔のジェンヌさん、夢を見させてくれた宝塚に愛をこめて…💞

 

笑って泣いてまた号泣賞…『元禄バロックロック/The Fascination』

忠臣蔵ファンタジー
『元禄バロックロック』
作・演出/谷 貴矢

レビュー・アニバーサリー
『The Fascination(ザ ファシネイション)!』
-花組誕生100周年 そして未来へ-
作・演出/中村 一徳

 

私の2022年最初の観劇は、東宝花組でした。しかもまだ松の内、友会さんが親友になってくれて、良いお席に!

(その後日、取っていたお席は次々と消えていったのですが…😢 楽近くに再度観られました)

 

バロックロックは…最初あらすじなど読んだときは「これ絶対トンチキなヤツ!」と思っていたのですが(失礼)、意外に(失礼)、私的にはとてもよかったです。

パラレルワールド的に、ところはエド、将軍ツナヨシ(音くり寿)の世、コウズケノスケ(水美舞斗)やクラノスケ(永久輝せあ)、タクミノカミ(聖乃あすか)が登場する忠臣蔵の世界にタイムスリップも加わり、主役クロノスケ(柚香光)とキラ(星風まどか)が織りなす、まさに夢物語といったところ。

まず、セットや背景が美しい。衣装も和洋折衷で、色や素材もかわいい。それに合わせ、メイクや鬘も、時代ものっぽくなく、現代的でした。

特に、クロノスケとキラが花火を見るシーンでは、花火の背景に遊ぶ2人、恋をする2人がとても微笑ましく、美しく、新しい宝塚のラブストーリーという感じが伝わってきました。

壮大な物語や大宣伝がなくても、こういうユメユメしくウツクしい、笑顔になれるような作品、大好きです。

 

ファシネは…花組誕生100周年を記念して作られたショー。

ムラでの公演中、私は花組月組100周年記念の外部公演『Greatest Moment』にハマりにハマって、号泣号泣また号泣でしたので…

当然、「花」に特化したファシネにも、泣く笑う泣く笑うと忙しい。

サザンクロス・レビュー』で真矢みきさんが演った"食中花"を妖しく踊るれいちゃんに魅せられ、懐かしい「花」をテーマにした歌に酔いしれ…。

 

なにより、かつて大浦みずき・ナツメさんを中心に、ひびき美都さん、安寿ミラさん、真矢みきさんなど錚々たるメンバーで踊った"ピアノ・ファンタジー"!! 私はムラだけでなく、ニューヨークでこれを踊るナツメさんを観て、誇らしさと感動で、泣きすぎてコンタクトレンズラジオシティミュージックホールで二度落としたほどです。

バーンスタインの「ラプソディ・イン・ブルー」に乗せ、白燕尾と黒いダルマで踊るそのシーン…。セットはわずかなピアノの鍵盤だけ。ホリゾントまでいっぱいに使った、ダイナミックで洗練されたダンスです。

れいちゃんはじめ、まどかちゃん、マイティひとこちゃんたちが美しく踊るその刹那、私は本当に、今は亡きナツメさんが見えた気がしました。スポットライトが照らされ、舞台から少し浮いた中空に、あの日と同じナツメさんが踊っていました。

れいちゃんがナツメさんに見えた…とかではなく、彼女たちとは別に、ナツメさんの魂も身体も、舞台に見えた(気がした)のです。

その後、この公演をもって専科に異動する高翔みず希さんが、ナツメさんにいただいたカフスを付けて歌う『ル・ピエロ』(大好きな安奈淳さんの!!)の「僕の愛」も

「♪君を見つめている 遠くにいるときも 君は知らないかも 熱い僕の胸のうち」

と、まるでナツメさんのことのようで…😢

そして『テンダー・グリーン』より、ナツメさんの持ち歌で今は宝塚の名曲となった「心の翼」

「♪体の傷より 痛む心よ 共に生きてる命の 親しみをもて」

さっきからずっと涙腺崩壊していますが、もう号泣号泣また号泣。右隣の友よ、左の知らない人よ、ホントすまん…っていうくらい泣いたが、友も隣の人も泣いていた😢。

 

ナツメさん邂逅ばかりしてしまいましたが…、れいちゃん、まどかちゃん、マイティ、みんな、難しかったであろう名シーンを見事に再現し、そして新しく前進していく姿が感じられて、私は大変にうれしかったのです。ああ、花組は永遠だな…と。

 

勉強になりま~す!賞…『今夜、ロマンス劇場で/FULL SWING』

ミュージカル・キネマ
今夜、ロマンス劇場で
原作/映画「今夜、ロマンス劇場で
脚本・演出/小柳 奈穂子

ジャズ・オマージュ
『FULL SWING!』
作・演出/三木 章雄

 

ロマ劇は…同名の映画を舞台化。映画では、モノクロ映画の世界と、現実世界を彩りで表していたので、舞台ではどうなるものか、行けばわかるさ(突然の猪木)と思っていたのですが…。

モノクロ映画っぽい映像から、それが等身大の舞台になって、シルエットが重なり合うという、舞台ならではの素敵な演出!! さすが小柳先生と思いました。

主演の月城かなと・れーこさんと、海乃美月・うみちゃんのトップコンビお披露目公演だったのですが、もう前年もその前もずっと組んでいらしたので、お披露目と思えない安定感。

れーこさんは、♪その美貌が役に立つと~という役ではなく、いつも夢見てはいるけれど、自己嫌悪もたくさんある、マイナス志向の助監督・健司(映画では坂口健太郎さん)。何か、それがすごく良かった。

皇帝や死の帝王ではなく、インドの悪人でもなく、普通のちょっと昔の日本人。私たちと同じ、悩みを抱えた人。そんなある意味普通すぎて難しい役ですが、れーこさんが演じると輝きを持っていました。

映画では、老齢の健司を加藤剛さんが演じていらして、遺作となってしまったのですが…。加藤さんがあまりにも品があり、美雪役の綾瀬はるかさんといらっしゃる幸せそうな顔がとても素敵でした。少しでも良いので、れーこさんに演じてほしかったなあ。(舞台ではぼかしてあり、年齢の変化を違う人々が演じていました)

 

うみちゃんは、日本版オードリー・ヘップバーンのような美雪役を上手く演じていましたが、美雪は親しみがありながらも「この世のものではない」人なので、そのあたりが出るとよかったですね。

 

特筆すべきは、俊藤さん!!  映画では北村一輝さんが演じていて、連獅子のまま車を運転するワ、爆発ではじけるワ、おかしなスターを大真面目に演じる面白さが、それこそ爆発していましたが、鳳月杏・ちなちゃんが大真面目にやってくれました! 

あの「悪霊退散」がついた羽根姿をアクスタにしたいくらいです(笑)。勉強になりま~す!(彩音星凪くんも目立ってました!)

 

あとは舞台キャラの大蛇丸(暁千星)と従者(天紫珠李礼華はる)もいい味出してましたし、狸吉(蓮つかさ)・虎衛門(英かおと)・鳩三郎 (柊木 絢斗)のトリオも印象に残りました! 私の中では「鳩三郎はしゃべれないで賞」を差し上げたいです(笑)。

 

それからラスト…映画もそうだったのですが、夢か現実かわからないけれど、夢のようなドレスを着て、おしゃれした人々、もう亡くなった人々も出てきて、大団円…みたいな終わり方って、すごく宝塚に合っていると思いませんか。

『ロマ劇』も、『タイタニック』も蒲田行進曲も…。

この「夢か現実かわからないけど、楽しく美しい終わり方」っていうのが、バチコンと宝塚にハマると思うのです。

蒲田行進曲』も楽しく観たので、いつか『タイタニック』も観れるとよいなあ…。

 

ロマ劇がものすごく長くなってしまいましたが、

フルスウィングは…ジャズのよく知っている曲が散りばめられ、体感15分くらいでした。

何かすごく忙しい「♪魂のフルスゥイング~」も帰りがけに歌えるよい曲!

ただ全ツ『ブラックジャック 危険な賭け/FULL SWING!』 のところにも書いたのですが、「マイウェイ」は私世代前後の人々には「ちょっとカンチガイしたおっさん上司(課長・部長クラス)がカラオケで歌う曲」としてインプットされているので、「マイウェイかよ!!」とツッコミました(笑)。

友推しの結愛かれんちゃんも、ダンスがかわいかっこよく、これからもっと見たかったのに…。

でも三木先生らしさが詰まった、小粋なショーでした!

 

戦争はイヤで賞…『NEVER SAY GOODBYE』

 

ミュージカル
『NEVER SAY GOODBYE』
-ある愛の軌跡-
作・演出/小池 修一郎
作曲/フランク・ワイルドホーン

 

月組に続き、宙組公演。

ムラ公演は、コロナ関係で半分くらい休止になってしまったこの公演、東京は争奪戦の人気でしたね。

 

スペイン・バルセロナで行われる人民オリンピックで出会った写真家ジョルジュ(真風涼帆)と作家キャサリン(潤花)。外国人の彼らだったが、闘牛士・ロメロ(芹香斗亜)と出会い、ファシズムと戦い、スペイン内戦に参加することとなる…というお話。

 

初演は和央ようかさん・花總まりさんのサヨナラ公演で、真風涼帆さんたち92期の初舞台公演だった作品が、真風さんのサヨナラが近づいた今、主役として再演…というドラマティックな幕開けとなりました。

私は初演も観たのですが、その時は、和央さんの体調が大変だったことや、タカハナコンビも、これで最後…というような感慨深さがあり、ワイルドホーンさんの曲がすばらしいということしか覚えていないくらい。

 

というのも…

戦争ものは嫌いなんですよ!!  正直に言おう、

宝塚では夢を見たいのです。戦争は見たくないのです!!

 

今回、ウクライナ侵攻が始まり、そして毎日それは増してゆき…連日の戦争報道の中で、コロナ禍で沈んだ心が、もっと暗くなっていくのを感じていました。

ごく個人的には、残務処理がやっと終わり、長年勤めた会社を辞め、体調整えつつある頃で、ムラ宙組休止のニュースにも心を痛めていました。

 

「新しい時代を築こう!」という革命や、戦争から帰ってきて苦労したけど幸せになった…的なものは、まだ許せるのですが…。

戦争に行くこと、戦いに参加することが美徳であるような表現は、宝塚では観たくない…と個人的に思っています。

私は、戦争について語るつもりは毛頭なく、政治的発言をするつもりもありません。

ただ、大切な人を置いて、戦いに参加して、結果もう二度と会えないストーリーは、現実世界で実際に行われていて、それを夢を見にきている宝塚で観たくない、というだけです。

(なので、この作品だけでなく、「男は戦いに行くことを潔しとして、女が残される戦争もの」は概して好きではありません…)

 

とはいえ…と、公演の話に戻りますが、

ワイルドホーンさんの楽曲はすばらしく、特に宝塚の名曲として歌われている「ONE HEART」は、さすがコーラスの宙組!!  その圧がすごかった!!

この曲、コロナ禍が始まって公演休止しているときに、スカステの特別企画で、和央ようかさんと当時のトップさん(望海風斗、珠城りょう、真風涼帆、礼真琴、柚香光)で歌われ、勇気をもらったことが記憶に新しいのですが。

それを真風さんが大幅に上昇した歌唱力で歌われ、感動でした。

 

主要陣は言わずもがなの好演。

コマロフ役、専科の夏美ようさんはさすがの悪役ぶり。ある場面のために、それまではあえて「引き」の演技もすばらしい。

歌唱力で見せたのは、ラ・パッショナリアの留依蒔世さん、市長の若翔りつさん。

そしてもちろん、エレン役・天彩峰里ちゃん。

水音志保ちゃん、亜音有星くん、奈央麗斗くんと、若手に大きな役がついて、それをきちんと演じていたこともよかったですね。

 

それから、フィナーレ。

ムレータ(闘牛で使う布)を使った男役のダンスも迫力!!

初演にも、ムレータを使う場面はあったのですが、今回は、ゆりかさんの銀橋から、大階段まで、ぐるんぐるん回していて、キキちゃんが言っていた通り、ホントに飛んでいくんじゃないかという大迫力!

 

楽曲、フィナーレはとてもよく、宙組の皆さんはコロナで休止の分、熱気あふれ、日を追うごとにの迫力が増した熱い公演でした。

 

わわ、3作品で長くなってしまいました。

次回スピードアップで続きます!