もしかしてまた再演!?『ベルサイユのばら』を考える
突然、本当に~♪、何の前触れもなしに始まりますが、前回のブログ、
自己紹介と好きな宝塚作品 でも書きましたように、私の人生の分岐点は、9歳で出会った少女漫画の金字塔『ベルサイユのばら』(池田理代子先生)。
ほぼ全て暗記するほど読み込み、9歳で「自由、平等、博愛…フランス革命…」とブツブツつぶやいたり、11歳でツヴァイクの『マリー・アントワネット』を読み始めたり、20代でフランスに行ったときは、ゆかりの地を巡る旅をしたりもしていました。
『ベルばら』に出会って、フランスに死ぬほど憧れ、歴史が好きになり、宝塚ファンになり、歴史文学作品を読み始め、オスカルの思想にも思いを馳せ…。
『ベルばら』に出会ったから、9歳で私は大人の扉をそっと開けたのでしょう。
私のその後の人生の全ての原点です。
大人になってからも、年に1回、革命記念日(7月14日)あたりに読み返しては涙するくらい。
勿論、関東でやる理代子先生の展覧会などは全て行く→ほぼ持っているのにグッズ買う→もったいなくて使わないので溜まる…という悪循環をルフランする私。
誕生50周年記念 ベルサイユのばら展
先日のベルばら誕生50周年記念 ベルサイユのばら展 東京も勿論行ってまいりました。
東京、大阪は会期が終わり、来年は高知会場が決まっています。
これからの方は、ネタバレ注意。
今回の展覧会では、メインは勿論、ベルばらの原画です。50年前、当然全て手描きで描かれたオスカル様がすばらしい~! 理代子先生の原画は、修正のホワイトがほとんどないのですよ。そして、スクリーントーンも少なく、カケアミやベタなど細かい背景も手描きが多く、オスカル様の瞳の輝きなども手描きです。
当時は24歳だった理代子先生(天才か)、連載途中で美大の方にデッサンなどを教えていただいたとのことで、1巻と比べると5巻以降のデッサン力が飛躍的に上手くなっていらっしゃるのが、原画でもしっかり拝見できます。
撮影OKコーナーは、上記の等身大キャラクターのほか、文化服装学院の生徒さんが作られたオスカル様の最初で最後のドレスや、宝塚「ベルばら」の衣装、シャンシャン、全公演ポスター、全公演キャスト表なども。
懐かしくて、ついついひとつひとつ目で追ってしまいました。
たぶん、サーッと見ると最短30分くらいで見れそうですが、私は、ミュージアムショップも含め、3時間半いました…(笑)。
まあ前も書きましたが、私は原作漫画第一主義、オスカル様一択の大ファンです。そこを踏まえて、次項お読みください。
宝塚の『ベルばら』考
そんな、人生を変え、宝塚との出会いとなった宝塚版『ベルばら』ですが…
社会的ブームになった昭和版も、平成版も、ちょいちょい脚本・演出がいただけない…。
勿論、まず『ベルばら』を宝塚で演るというのは、天才発想(読者のお手紙きっかけとのことですが)なのですが…。
植爺植田御大には申し訳ないが、ここがいただけないってところを、最近観てませんが、思い出して書いてみます。
とにかく、原作にないセリフや場面なのですが。
●オスカル様がたまに女っぽくなる→名場面"今宵一夜"で「今宵一夜、アンドレ・グランディエの妻と呼ばれたいのです…」とか、オスカル様なら言わねーし!!(荒ぶる)
これを「~呼ばれたいのだ」と変えていた安寿ミラオスカルは神、いやヘブライ語で神と剣だと思います。
そのほか、何かあると「アンドレー」とアンドレに甘えたり頼ったり、それはホント、マジやめて!! 最初からアンドレに頼るような方なら、衛兵隊にも入らないし、ルソーも読まないし、バスティーユも起こらないから!!
●オスカル様が急激にポエム子守歌で諭す→2001年星組版だけかもですが。反抗する衛兵隊に、「♪人は皆幸せに~」とか、ナゾのポエム調子守歌で諭しだすオスカル様。催眠効果のある子守歌なのか、みんな泣き出したりして、ぽーっとなってオスカルのいうことを聞き出す…。宗教か!
このあたりの場面…漫画では、衛兵隊がアベイ牢獄に送られそうになり、それを止めたいオスカルになおも反発する衛兵隊、オスカルは
「だが力でおまえたちをおさえつけることになんの意味がある!?
おまえたちの心まで服従させることはできないのだ
心は自由だからだ!」
と訴えます。
そこからオスカルと衛兵隊の絆が結ばれていき、ついに革命前夜、パリにてオスカルはこう言います。
「自由であるべきは心のみにあらず!!
人間はその指先1本 髪の毛1本にいたるまで
すべて神の下に平等であり 自由であるべきなのだ」
これこそが、池田理代子先生がいちばん書きたかったセリフであり、いちばん好きなシーンと公言していらっしゃいます。
ナゾポエムでなく、この↑セリフを入れろ!!
オスカル様が求めているのはアンドレのみにあらず!!
貴族でも平民でも、人間はみな自由であるべきなのだ
ということを信じて革命に身を投じているのですよ。
このあたりのことを、宝塚版でも「♪おれたちゃマヌケな衛兵隊」という、ヒサンな歌を歌う前に、きちんと入れてほしい。
●ベルサイユ宮殿のオスカルファンの夫人がうるさい→悶絶しそうなモンゼット夫人、失神しそうなシッシーナ夫人はじめ、夫人連がオスカルオスカル、王妃様王妃様と、常に一列になって、一歩前に出て説明セリフを言うシーンが多い。しかも、時代おくれのギャグを取り混ぜたりする。ホント、夫人連いらないわ。
確か岸香織さんはモンゼット伯と夫人を早変わりで演じていたような…。いや、それ要る!???
1990年の花組公演(大浦みずきさんフェルゼン編)では、のちにトップになる姿月あさとさん、紫吹淳さんあたりも夫人をやらされてました…。いや若手男役の無駄遣い!!
●トンデモセリフがある→昭和初演では、アンドレと黒い騎士(ベルナール)の決闘のシーンで「稚児の剣法、受けてみよ!」。稚児? フランスで稚児?
平成版では、オスカルが説得しようとするブイエ将軍「釈迦に説法だ!」。釈迦? フランスで釈迦?
平成版フェルゼン編、アントワネットにベルサイユ宮殿で兄・王太子、妹・王女がすがる場面。「♪こまどりが鳴いている~」(こまどり??) アントワネット「こまどりも、平和、平和と鳴くことでしょう…」平和、平和…? フランスで平和?
(たぶん「peace,peace(ピースピース)」と英語読みを意識されてるのでしょうが、フランス語で「平和」は「paix(ペ)」。日本語もフランス語も当てはまらないし、原作にもない)
大体、この兄王太子と妹王女…ダレ? アントワネットの子は、第一子マリー・テレーズ、第二子ルイ・ジョセフ(子供の頃、革命前に夭逝)、第三子ルイ・シャルル。兄と妹なんていない…。
なんかもう、原作にないナゾのセリフは世界観壊すのでやめてほしいです。
●ナゾの人形ステファン大活躍→原作には出てこないのですが、フェルゼン編では、ラスト近くになって、ナゾの「ステファン」という人形(ビスクドール)が突然出てきて大活躍。アントワネットが子供の頃からかわいがっていた設定なのですが…。漫画では、フランス降嫁の時、オーストリアのものはレース1本すらも身につけることが許されなかった…とされているので、人形なんて持てなかったと思いますし。
革命の時にメルシー伯がオーストリアから持ってきたのなら、他にもっと持ってくるものあっただろう! てか亡命も許されなかったのに、人形て!
で、ラストもこれをフェルゼンに渡し、「王妃様~!!」……無駄に目立つステファン。
ちなみに漫画では、というかツヴァイク『マリー・アントワネット』でも、ミュージカル「マリー・アントワネット」でも、指輪を贈り合ったことが記されていたかと思います。
フェルゼンからは「いっさいが私を御身がもとに導く」アントワネットからは「臆病者よ 彼女を見捨てる者は」と刻まれた指輪。
なんで指輪が人形になったのか、それが代々使われていたのか、ホントにナゾ…。
●ベルナールとロザリーが画策する→ベルナールとロザリー、のちの理代子先生の漫画『エロイカ』や『ベルばら続編』にも登場するワケアリ夫婦ですが、少なくとも宝塚ベルばらの時に、いろんな画策したり、ジャルジェ邸に忍び込んだりはしなーい!!
●あろうことか、知らない間にオスカルが死んでいた→フェルゼン編全ツで、オスカル様の壮絶な最期"バスティーユ"の名場面をすっ飛ばし、なぜかスウェーデンにフェルゼンを呼びに行くジェローデル(それもナゾ)が「オスカルは死にました」…フェルゼン以上に客席が「えーっ!?」ですわ。
●オスカル、アントワネット、フェルゼン以外が主役になる→『ベルばら』の主役はこの3人。そう、最初とラストに出てくる「1755年11月2日 オーストリアに…」のモノローグが出てくる3人とされています。
アンドレ単体もどうかと思うのに、ベルナールとかジェローデルを主役にしないで~!!
(近年の続編では外伝的に、ベルナール・ロザリー、ジェロが主役の漫画も存在しますけど…あくまで本編は主役3人)
ハアハア。他にもいっぱい、ヘンなところはあるのですが、とりあえず。
とにかく、原作漫画の世界観、キャラ設定を変えない脚本にしてほしいです。
でも初演からの歌「心のひとオスカル」
(♪ブロンドの髪 ひるがえし 青い瞳のその姿…♪)
なんかは、原作モノローグをとてもうまく使った歌詞ですし、このあたりは、後世まで引き継いでほしい歌ですねー。
宝塚でまた再演!?
2022年、今年は漫画の『ベルばら』誕生50周年記念で展覧会など開かれましたが、
2024年は宝塚の『ベルばら』上演50周年になるそうです。
これは…きっとやるよね…。
とビクついている諸氏も多いのではないでしょうか。
しかし植爺植田先生は、なんと2023年1月1日で90歳!!
ここはひとつ、後進に道を譲ってはいかがでしょうか。
"バスティーユ"は、あのままでもよいです。歌舞伎のように、あの場面で自動的に泣けるように、私のカラダはプログラミングされてしまったので。
上記をはじめ、脚本・演出を大胆に変えてほしいです。
私の勝手提案は
●脚本演出は、小柳奈穂子先生!!→『ルパン三世』『はばたけ黄金の翼よ(全ツ版)』『天は赤い河のほとり』『はいからさんが通る』など、数々の漫画をうまーくまとめあげている小柳先生!! 『天河』なんて、30巻あるコミックスを1幕にまとめてらっしゃいます。『天河』も『はいからさん』も、衣装もセリフも"漫画から出てきた人々"だったので、かの『ベルばら』もうまーくまとめてくださるのでは?
●思いきって1幕ものに!→『ベルばら』といえば豪華な2幕もの…。しかし、♪ごらんなさいごらんなさい…の小公子や、上記に書いた夫人連や、ナゾの間延び画策なども多く、みんな途中で寝てしまうことも…。
もう思いきって、しょっぱなの昭和初演と同じく1幕ものにしてはいかがでしょうか!?
今、再演するとしたら!? キャスト大予想(希望)
●誰がやる?→ここが思案のしどころですが、原作ファンの私としては、2022年12月現在、花組一択です!!
・オスカル…柚香 光
・アンドレ…水美 舞斗
・アントワネット…星風まどか
・フェルゼン…永久輝せあ
・アラン…聖乃あすか
・ロザリー…星空 美咲
・ベルナール…帆純 まひろ
…とか!
れいちゃんには、ぜひトップでオスカルをやっていただきたい。
ご本人も宝塚グラフで演りたい旨をおっしゃっていたような。
そしてマイティとがっつり組んでいただきたい。
私的には、ぜひ…と思うのですが、他の組でも考えてみます。
ただ2022年12月現在なので、ちょっと予測がつかない組も…。
月組🌙フェルゼン編
・フェルゼン…月城 かなと
・アントワネット…海乃美月
・アンドレ…鳳月 杏
・オスカル…風間 柚乃
れーこさんオスカルにちなちゃんアンドレも考えたのですが…うーん、この組はやっぱりトップコンビかなー。
でも、おだちんとても好きなのですが、オスカルはなー…。
雪組❄フェルゼン編
・フェルゼン…彩風咲奈
・アントワネット…夢白あや
・オスカル…朝美絢
・アンドレ…和希そら
朝月希和・ひらめちゃんがいたならアントワネットにぴったりだったと思いますが、夢白ちゃんはトップ娘役にこれからなるところなので、荷が重そう。
オスカルはそらぴも新公でやったので、観てみたいですが、ここはやはりあーさに。そらぴならきっと年上であるアンドレも上手く演じられると思いますが…。(妄想)
星組🌟???
なこちゃんのアントワネットは想像つくのですが、こっちゃんのフェルゼンはちょっと違うし…。でもこっちゃんオスカル・なこちゃんロザリーも、私的には違う…。
ありちゃんオスカル? せおっちアンドレ?…うーん…。
トップこっちゃんが、なんでもできるけど、ベルばらには向いていないかも…。
まあ、『1789』やるし、もうそれで!!
宙組🌌???
真風さんがいる時なら
・フェルゼン…真風涼帆
・アントワネット…潤花
・アンドレ…芹香斗亜
・オスカル…桜木みなと
・ロザリー…天彩峰里
・ベルナール…紫藤りゅう
…とか考えてたのですが、現在、真風さん・潤花ちゃんは退団が決まり、次のトップも発表されていない状態。特にトップ娘役については、予測がつかないところです。
(芹香・天彩でよいのではと思っております)
キキちゃんは、オスカルはもうできない・やらない説もありますが…。
昔の花組でアンドレをされた朝香じゅんさんに似ていると思うので、アンドレとオスカル編でもよいかも。
とてつもなく長くなってしまいましたが…
ベルばらへの熱い思いを綴ってみました。
なんだかんだいっても、ベルばらは、宝塚の歴史や在り方を変えたすごい作品だと思います。
それだけに、もし再演するのであれば、内容を再検討して、「またベルばらかー、嫌だなあ」とファンに思われないように、していただきたいと切に願います。