Rêve TAKARAZUKA REVUE 宝塚ブログ・タカラヅカの夢 

初演ベルばら以来のファンが公演感想、OG、その他、宝塚を語ります!

宙組『カプリチョーザ!!』アディオ、伊達男

 

 

宙組『HiGH&LOW』に続きまして、ショー感想です。

 

 

ファッシーノ・モストラーレ
『Capricciosa(カプリチョーザ)!!』-心のままに-
(作・演出/藤井 大介)

 

……ふぁっしーの…もすとらーれ? 調べてみましたら、

Fascinoは、イタリア語で「魅惑」、

Mostrareは、イタリア語で「見せる」(展示など)

という意味だそう。

Capricciosa

“Capricciosa”とはイタリア語で“気まぐれ”“勝手気まま”といった意味を持つ言葉。
放浪の伊達男カプリチョーザが、イタリア各地を巡る中で遭遇する様々な出来事を綴った大人の雰囲気漂うショー作品。トップスター真風涼帆を中心に、宙組の個性溢れるスター達が繰り広げる、パワフルでセクシーな魅惑の世界をお楽しみください。 

(宝塚歌劇公式ホームページ)

とのことなので

「とにかく、気まぐれなイタリアーノ、伊達男マカゼチョーザを魅惑的に見せまっせ!」

(大意…の娘)てな感じなのでしょう!?

 

最初に言っておきます。

このショー、豪華な衣装やセットは、ほとんど出てきません。

(いや、宝塚初見の方は「わあっ!!」とは思うでしょう。コアなファンの方ね)

しかし、「伊達男とはこういうものなのだ!!」と

名前通り、魅惑されるショーなのです!!

 

プロローグ・復活祭 Pasqua

極彩色の美しい電飾幕が一旦消えると真っ暗に…

そしてライトがついた瞬間、サングラスをかけた男役と娘役が

ズラリと銀橋に並んでいます!

これ「チョンパ」と言いまして、日本物ショーではよくある風景。

チョンと拍子木が鳴った瞬間に、パッとライトがつくと、

そこはもう夢の世界…という感じです。

洋風チョンパで、しょっぱなからドキドキのあと、

いよいよ、カプリチョーザ・真風の登場です!

白スーツを脱いだり着たり、なんかもう既にこっちは興奮。

熱くなっております。

どうしてこんなに暑いんだ♪ って、こっちが聞きたいよ!

 

真風ゆりかさんの衣装は白ストライプキラスーツ、

芹香キキちゃんと潤花ちゃんは緑、

それ以外の人は赤で、イタリア国旗なんですけどね…

いや、もう少しキラキラしてもいいだろうってくらい。

 

でも、ナポリやらフィレンツェ、ミラノ、ベネチア、ローマと

地名の入った歌を歌い継ぎ、再度銀橋で

カプリチョーザカプリチョーザイェイ!♪

という頃には、あなたはこの歌を口ずさみたくなるでしょう。

 

そして!! いきなり勝手に興奮しますが

この後、男役だけになり、曲変わって「カプリチョーザ」なのですが!

これ、1993年の花組公演『ラ・ノーバ!』で(安寿ミラ・ヤンさんトップ時代)

真矢みきさんが歌っていたのですよ!!

わ、私、当時、みきちゃんの大ファンで、何度この歌で失神しそうになったことか!!!

それを今、真風さんが歌う!? 

そんなことってある? 天海さんもそんなことある?(ない)

(『ラ・ノーバ』併演は、再演を繰り返している名作『メランコリックジゴロ』。まさに神公演!! 最近は、よくスカステで再放送していますので、ぜひチェックを!!)

www.tca-pictures.net

 

で(戻って来た)、なんと今回はセリフまで言っちゃう。

桜木ずんちゃんズンズン今夜はあなたを攻めます」

キキちゃん「キキ迫るほどの情熱キス♥」

ゆりかさん「俺のゆりかごに君縛りつけ、イタリアの夜は眠らせない」

…愛称をもじった、ちょっとドSなセリフ…

アクアヴィーテ!!』にもあったけど、決してキライじゃないぜ…!

 

恋の街ナポリ

で、クラクラしている間に、次のシーン。

ここでは珍しく、潤花ちゃんとキキちゃんが組みます。

(ムラではここで「え…キキちゃんとなんだ…」という予感1)

「甘い言葉ささやくけど、イタリアの男に騙されちゃダメ」的な女たちと

なんとか女の気を引こうとする男たちのシーンですね。

いかにもイタリアっぽいシーンです。

 

水の都ヴェネツィア

イタリアといえばヴェネツィア

ヴェネツィアといえばヴェネツィアの紋章』、いや水の都。

幕開きは、瑠風もえこさんが歌う、マーラーの「アダージェット」。

名曲を良き声で歌っています。

ゴンドリエなので、もう少し低い声でもよかったかもですが、オッサンでは困るので、これでよき。

ゴンドラには、大介先生名物(?)女装のずんちゃん。

たゆたう水の中で踊る文化祭の衣装のような悪魔には秋音あきもちゃん。

そして誘われるようにやってきた、真風ゆりかさん。

 

曲は、おなじみの「エリーゼのために」になり…

まあ結局、ゆりかさんは、ずんちゃんに魅入られたってことなのでしょう。

美しい場面ではあるのですが…

振付や衣装がもう少し、官能的だとよかったかなと思いました。

 

花の都フィレンツェ

紫藤しどりゅーくんダ・ヴィンチ鷹翔こってぃくんラファエロ、今回で退団の留依あーちゃんミケランジェロと、イタリアンな天才たちと

娘たち(山吹ひばり、栞奈ひまり、愛未サラ)の銀橋から中詰めスタート。

あーちゃんは、これでもかとボロネーゼを響き渡らせています。

 

幕が開くと、ずんちゃんセンターで、花の衣装で総踊り。

体感がブレない、キザる男役がいると思ったら、

それは組長(寿つかさ)・副組長(松風輝)です。

ものすごい目力を見せているのは若翔りっつくんです。

このあたりからずっと、有名曲「24,000回のキッス」がアレンジされています♪

 

もえこちゃん銀橋のあと、本舞台にはキキちゃんが。

そして、若手男役たちのエイトシャルマン!

(パンフレットでは違う名前でしたが、8人、若手男役、ダルマ衣装といえばエイトシャルマンのほうが通じやすいかと)

 

もう次々にキキちゃんに絡むシャルマンよ。

亜音有星の超絶すぎるスタイルよ。

泉堂成のエロすぎるダンスよ。

波輝瑛斗のちなちゃん(鳳月杏)似すぎよ。

奈央麗斗のすでに完成された美しさよ。

(もちろんほかのシャルマンも)

 

マスクの中で口あけて見てたら、もうゆりかさんスタンバイ。

まかキキずん、不動のトリオ3人が銀橋を渡って、

男くささ120%、狂乱の中詰めに突入!

一段落して下手側へ。

ここ、いつもずんちゃんが、まかキキを笑わせますので、お見逃しなく。

(私は一度、桜木ホンキの変顔を目撃しましたが、注意が出たのか、それ以来はソフトに…)

 

そして、ちょっと話題になっているらしい、トリプルデュエダン…。

(まか・キキ・ずん×潤花・天彩峰里水音志保)

キキちゃんが、天彩じゅっちゃんに冷たい視線という説をネットで見かけます。

まあ確かに、ニコニコベタベタカップルではない。

でも、それを本人たちの不仲とかいうのはどうかなあ?

 

ジェンヌさんって、プロフェッショナルに徹しています。

群舞でほんの1シーン組む下級生でも

「これ、昔別れたワケアリ夫婦って設定にしよう」とか

ひそかに考えていらっしゃる等、よく聞きます。

 

キキちゃんが、じゅっちゃんにだけ冷たい視線なのは、

絶対に、そういう演出的なワケがあると思うけどな。

少なくとも、今までキキちゃんの舞台を見ていて、

舞台上に私的感情を持ち込んでいるとは、決して思えないですね。

キキちゃんだけでなく、皆さんね。

 

芸術の都ミラノ

圧の強い中詰めが終わると、早くもロケット。

なんとロケットセンターは、ダンサーのほまれ高い優希しおん・キヨちゃんです。

イタリアンフェッテ、フェッテ…ちょっとレベチのロケットです。

 

ロケットへの大拍手が終わると、そこはミラノ・オペラ座(たぶん)。

オペラ歌手のずんちゃん、春乃さくらちゃんが歌うのは「カタリ・カタリ」。

これ、宝塚で時々使われますが、私があまりに印象深いのは、

麻実れい・ターコさんのサヨナラ公演『はばたけ黄金の翼よ』フィナーレ。

ホント、最後の男役集大成という黒燕尾で、「ザ・退団」のイメージが…。

まったく同じ歌詞なので、ターコさんを思い出し、うるうるしつつ、予感2

 

ここ、ずんちゃんたちはオペラの出演者で、

観客に、キキちゃんと潤花ちゃんがいます。(ときどき手にキスをしたり)

「カタリ・カタリ」が終わると、銀橋でゆりかさん歌。

本舞台に戻ると、ゆりかさん・潤花ちゃん・キキちゃんとの三角関係に。

 

オペラ…トップ娘役を巡ってまかキキの対立…

まかまどトップ披露作品『シトラスの風』を思い出してしまいます。

その時は、キキちゃんが恋に破れたけれど、今回は…

ゆりかさんは、すがる潤花ちゃんの背をそっと押し、キキちゃんに託し…。

そして、一人ぼっちで舞台に残ると、

薄紫のトレンチコートとハットを持ったまっぷーさん(松風輝)…。

そして

「♪今 旅立ちの日 近づいてきた」

…いや、これもうどう考えても予感3・4・5でしょ!!

 

さらにダメ押しのように、涙涙の歌詞。

銀橋を渡り、幕が上がると、すっしーさん(寿つかさ)が

「♪アリベデルチ・ローマ…」(アリベデルチ→イタリア語で"さようなら")

 

さらに、なぜか、秋奈るいさん、澄風なぎさん、あきもちゃん、キヨちゃんの4人だけが踊っている…

ちょっと待てーぃ!!

ゆりかさんは、ショー始まる前も始まった後も予感はあったが、

すっしーさんとこの4人!! え!?

 

もうそこからは、「ザ・サヨナラショーすか?」と思わせる展開。

この公演での退団者にも、もちろんスポットがあたります。

 

フィナーレ

イタリアンなのに、なぜか、中森明菜の「ミ・アモーレ」を使ったフィナーレ。

キキちゃん大階段→男役群舞→デュエダンとめくるめく展開です。

 

年代的に、おそらくキキちゃんと同じくらいの回数、

「ミ・アモーレ」をカラオケで歌った私ですが(?)

曲調が変わって切なくなる箇所もあり、改めていい歌だなあ…と。

カーニバルは、終わってしまうのだな…という寂寥感が感じられました…。

 

エトワールあーちゃんのあと、フィナーレ降りは割愛しますが…

プロローグと同じく、赤・緑・白のイタリア国旗を表しつつ、

陽気に踊りながらの幕です。

 

ムラでは、さまざまな野口予感が駆け巡り、

「私のカーニバルも終わるんだろうな…

アディオ、伊達男(訳:さよなら、真風さん)」(´;ω;`)と切ない気持ちでしたが

大劇場公演後、真風涼帆さん・潤花さんの退団も発表され、

東京公演は心して観ることができました。

 

宙組次回作は、一本物の『カジノ・ロワイヤル ~我が名はボンド~』。

ショー部分はフィナーレだけなので…

大介先生は、今回、サヨナラショーっぽく作ってくれたのかな、と思います。

 

たぶん、ゆりかさん、潤花ちゃんとともに退団する人、

組替えなどの人もきっといるでしょう。

 

話題作『HiGH&LOW』と併演だったり、長引くコロナ禍だったり、

他組で話題作もあったりと、予算的にはもしかして厳しかったかも…

でも「今の宙組」の集大成であったことは間違いありません。

大介先生の愛、宙組の皆さんの熱気が伝わる公演でした!

 

宝塚GRAPH(グラフ) 2022年 12 月号 [雑誌]

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宝塚グラフ表紙の真風さんも神降臨的!!